ふしぎ実験室

《ふしぎ実験室 2020年10月 》

回転ゆで卵はどっち向きに立ちあがる?

ゆで卵は勢いよく回すことができます.横倒しの状態で勢いよく回すと,縦に立ちあがって回ります.鶏卵は一方が尖がっていて,もう片方は丸みを帯びています.ゆで卵を回すと,どちらが上になるのでしょうか.
独楽と一緒で,重心が高い方が安定に回ると考えて,丸みを帯びたほうが上になると説明されることがあります.いやいや,丸みを帯びたほうには気室というからっぽの空間があり,尖がったほうが実は重いので,尖ったほうが上になって回ると説明されることがあります.どっちが正しいのでしょうか.何度も回して統計を取った人もいるようです.でも,実は,回し始めるときのわずかな卵の姿勢の違いでどちらが上になるかは決まるのです.この仕組みを知っていると,見ている人にはほとんど気付かれずに,自由に立つ向きを操ることができます.ちょっとした手品を披露できます.

卵はなめらかな凸曲面形状なので,必ず床面とは1点で接触しています.静止している姿勢では,卵の重心は床との接触点の真上にあります.物体は勢いよく回すとその重心を含む軸回りに回る性質があります.そのため,ゆで卵を安定な状態から少し傾けて回転させると,卵の床との接触点は回転軸から少し外側で床上を滑りながら回転することになります.床から摩擦力を受けるわけです.もちろんこの摩擦は回転を止める作用があるのですが,同時に卵の回転軸の方向を変える作用を持っています.そのため,初めの傾きが増強されます(詳しくは摩擦によるトルクと角運動量の変化によります).完全に立ちあがってしまうと,重心の真下で床に接して回転するので,姿勢がそれ以上変わることなく安定に回転を続けます.つまり,卵を安定な横倒し姿勢からほんのわずか傾けて回転させると,傾けた方向に立ちあがるのです.
見ている人に気付かれないようにわずかに傾けて回転させることを練習して,みんなを驚かせてみましょう.

動画 「回転ゆで卵の立ち上がり」へ

 

《ふしぎ実験室 2020年8月 》

なまたまごの逆回転

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 生卵の逆回転2.png です

なまたまごとゆでたまごを見分ける方法として,テーブルの上で軽く回してみることがよく知られています.なまたまごは中身が液状なので,殻を回しても中身が一緒には回らないので回しにくいのに対して,ゆでたまごは中身が固まっているので中身と殻とが一体となって回しやすいわけです.
回っているゆでたまごを指で押さえて回転を止め,離すと,もちろん回転は止まります.それではゆっくり回っているなまたまごを指で押さえて一瞬回転を止め,離すとどうなるでしょう.
なまたまごは殻の回転を止めても中身は回り続けるので,普通に考えると,指を離すと止める前まで回転していた方向に回り始めると考えられます.
 しかし,ふしぎなことに,止める時間を少し長めに1秒程度にして指を離すと,止める前とは逆に回転する現象が見られます.
 なまたまごの逆回転を記録した動画のリンクを示しますので見てください.ふしぎに思ったら,冷蔵庫のなまたまごで試してみましょう.お母さんの許可を取ってから実験してくださいね.

動画 「なまたまごの逆回転」へ